商標とは?

商標選択の際に留意すべき事項

商標は、ビジネス上極めて重要であり、次のような観点をも考慮して決定するとよいでしょう。

独自性を有すること
独自性を強めることは識別性を高めることになります。造語(意味のない用語で、例えば「SONY」)は、需要者に広く認識してもらうには大変ですが、一旦需要者に知られると、識別性、独自性を十分に発揮することができます。
商品/役務(サービス)との関連で、対象とすべき需要者(の性別、年齢、職業、所得、趣向等)にマッチしたものとすること。
覚えやすいこと
「簡潔」にすることや、簡潔とは反対の「キャッチフレーズ的」にする等の工夫も必要になります。
使い易いものであること
「覚えやすさ」と合わせて、「見やすさ」、「聞きやすさ」、「読みやすさ」、「書きやすさ」は重要な要素です。
「発音」したときに受ける印象に注意すること
商標は、取引上「発音」されることが多いので、発音されたときの印象にも注意が必要です。
間違いにくいものであること
商標を間違えて使用されないようにすることで、特に「発音違い」されないようにすることが望まれます。
外国語(特に日本国内で一般的な英語)としたときにも好ましいイメージを有するものとすること(特に外国での使用を考慮するときに注意)
外国人が見た(聞いた)ときに、例えば卑猥なことを連想するような商標は論外です。
商号商標(会社名から法人格を示す表示を削除したもの)は、多くの商標の中でも極めて重要であるという認識をもつ必要があります。
数ある商品の中の一部の商品に付する商標は適宜変更できるが、商号商標の変更は容易ではありません。商標としての機能重視のために、商号を変更することも希ではありません。
商標の位置づけについても考慮すること
1つの会社でも、例えば、商号商標、営業商標(複数ある関連性の高い商品群や役務群の一群毎に使用される商標)、個々の商品(役務)毎の商標というように、使用する商標もその役割が異なってきます。商品(役務)毎の商標はかなり自由に選択、変更できますが、その上のランクとなる営業商標の選択、変更の自由度は狭まり、さらにその上のランクとなる商号商標の選択、変更の自由度は極めて小さいものとなります。

商標の種別分けで知っておくとよい用語

ファミリーマーク(ハウスマーク)
ある企業の全商品、全サービスに共通して仕様される商標で、極めて重要な商標となります。
例えば、薬品メーカの「うろこのマーク」や、電気メーカの「パナソニック」など
商品商標
個別の商品/役務(サービス)毎に付された商標で、もっとも一般的な商標です。
ストック商標
とりあえず使用する予定はないが、将来の使用を想定してあらかじめ商標登録を受けている商標です。
数多くの種類の商品を提供する企業では、新商品の販売に合わせて、あらかじめ商標登録を受けている商標の中から適切なものを選択するようにしています。
等級商標
同種商品の等級を区別する商標です。
製造票
製造業者で誰であるかを示す商標です。
製造業者と販売業者とが相違するときに、製造票を付していないと、製造業者には商標を通したブランドイメージをなんら得ることができないことになります。
販売票
販売業者で誰であるかを示す商標です。
製造業者と販売業者とが相違するときに、販売票を付していないと、販売業者には商標を通したブランドイメージをなんら得ることができないことになります。
証明票
商品やサービスの品質等を証明する商標です。
公的な基準や組合等が定めた基準を満足することの証しです。

大事な商標をより効果的に保護するために

大事な商標については、「大事な商標と類似関係にある別の商標」についても商標登録を受けておくこと

  • 大事な商標について、他人の使用を排除できる範囲を実質的に拡大できます。
  • 大事な商標を、更新登録申請のし忘れによって誤って消滅させても、類似関係にある別の登録商標によって、他人の使用を排除したり、大事な商標が他人によって商標登録されてしまうことを排除できます。
  • 大事な商標は、その消滅を知ったときからすみやかに再度商標登録出願すれば再度の商標登録を受けることができます。

普通名称化となるのを避ける努力をすること

  • 商標も、その識別力、独自性が強くなると、需要者はあたかも、その商品/役務(サービス)が、商品そのものあるいは役務(サービス)そのものを示す普通名称であると理解されてしまう傾向が強くなります。
  • せっかく商標登録を受けても、普通名称になってしまえば、他人による商標の使用を阻止できないことになります(商標権の空権化)。
  • 普通名称として取引されているような状況を見つけたら、こまめに、商標登録であることの警告を行うことが重要です(商標の使用そのものは許容しつつも、商標登録である旨の表示を合わせて行うようにしてもらう等)。
  • 商標登録を受けた後に、普通名称化した例として、次のようなものがあります。
    動く階段である「エスカレータ」、人形について「京人形」、団子について「わらびだんご」、薬品について「アスピリン」や「赤ちん」、お菓子について「月餅」、繊維について「ナイロン」等多数存在します。
  • 最近の例では、オランダ国において、携帯型音楽プレイヤーである「ウオークマン」が普通名称であるとされました(数多くの国において普通名称化を阻止する努力を行うのがいかに大変かという例でもあります)。

不使用取消審判の対象とならないように注意すること

  • 理由もなく継続して3年以上商標登録商標を使用していないと、不使用取消審判を請求されて、商標登録を取り消されてしまう恐れがあります。
  • 商標登録を取り消されると、大事な商標について他人に商標登録されてしまう恐れがあります。
  • 現在不使用であるが、他人に商標登録をとられたくない大事な商標である場合は、「大事な商標と類似でかつ現在使用している商標」について商標登録を受けておくことや、大事な商標について3年毎に新たに商標登録出願しておく等のことが考えられます(このような問題がある場合は弁理士に相談するとよいでしょう)

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