Q1-10 立体商標とは?

A1-10
立体商標とは、立体的な形状に対して認められた商標の事を指します。商標法改正によって1997年から立体商標を特許庁に登録することができるようになりました。

立体商標と商標法改正

立体商標は1997年の商標法改正によって認められましたが、それまで商標は文字、記号、図形(立体商標と対比して平面商標と呼ばれることもある)に対して認められるのみであったため、立体的な形状は商標法によって保護することは出来ませんでした。それまでは不正競争防止法などで立体的な形状を保護することしかありませんでした。不正競争防止法では保護されやすい立体的形状と保護されにくい立体的形状とあったことや、国際的な商標制度の調和の観点から、1997年の法改正によって立体商標が認められるに至りました。アメリカでは古くから立体商標制度が認められていましたが、1990年代に入り欧州各国で立体商標制度の導入が相次いだために、日本でも導入が進められたと思われます。

立体商標の事例

菓子や飲料水の容器やイメージキャラクターなどに立体商標は適用できるために、企業の知的財産戦略、もとい商標戦略に多大な影響を及ぼしました。
有名な立体商標としては、

  • コカ・コーラの瓶
  • 株式会社ひよ子の菓子
  • 森永製菓のサイコロキャラメル
  • 不二屋のペコちゃん人形
  • かに道楽の看板
    などがあります。
  • 立体商標の要件

    立体商標は、立体的な形状のものすべてに認められたわけではありません。立体商標には識別力を有し、工夫のしてある、つまりありふれている方法で表示した形状とは言えないものに認められます。その上で、立体商標であることを出願書類に明記する必要があります。

    コカ・コーラとヤクルト立体商標

    コカ・コーラ社の瓶は容器の立体商標としては日本最初に認められたもので、ブランドシンボルとして確立されていて、販売実績もあるために、商標登録が認められました。コカコーラの主張は8割近くの人が瓶の形だけで認識できたというものでしたので、他社商品とは容易に識別出来ると判断されたものだと考えられます。
    しかしながらヤクルト社のあの容器の形状は認められず、知財高裁に棄却されましたので、どれだけその形状がブランドイメージとして確立されているかは判断が難しいものだと思われます。

    株式会社ひよ子の立体商標権を巡る問題

      株式会社ひよ子の立体商標権を巡る問題は、立体商標である「ひよ子」について、元々立体商標権をもつ「ひよ子」ですが、全国に類似した菓子を多数持つために、商標登録の有効性について問われた商標訴訟問題です。

      原告

      特許権者 株式会社ひよ子
      被告

      二鶴堂

    1. 株式会社ひよ子が有限会社二鶴堂に対して使用差し止め請求を起こしたが、それに対して二鶴堂がひよ子社に対して商標登録無効審判を起こした。
    2. 雛に模した菓子やその立体人形の「ひよ子」は元々2003年に特許庁から立体商標が認められていました、しかし、2004年に似た形状の饅頭を販売していた「二鶴堂」を商標権侵害で訴訟すると、二鶴堂は「ひよこ等の鳥の形状の菓子はありふれていて、形状に識別力は見られない」として立体商標無効審判を起こしました。特許庁は「確かに鳥の形状の菓子はありふれているが、販売実績を踏まえると消費者は『ひよ子』と識別出来る」という審決を下しました。

    3. その請求不成立の審決を受けて二鶴堂が審決取消訴訟を起こしたが、知財高裁は特許庁の審決取消の判決を下した
    4. 「二鶴堂」は審決取消訴訟を起こすと、2006年に「『ひよ子』のような形状と類似した菓子は多くあり、ひよ子の形状自身には十分な自他商品識別能力があるとはいえない」として、特許庁の審決を誤りという判断を知的財産高等裁判所は下しました。

    5. それを受けてひよ子社は知財高裁の判決を控訴しましたが、最高裁は上告を棄却したため、特許庁の審決取消が確定した

    2007年4月に最高裁第一小法廷はひよ子社の上告を棄却する判決を下しました。この件では商標登録が取り消されたわけではなく、あくまでも特許庁が二鶴堂の商標無効審判に対する審決を取り消す性質のものです。

    詳細:知的財産高等裁判所 ひよ子に関する審決取消請求事件

    Posted at 2008-12-5

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